バーであり、レストランであり、音楽ももちろんある、こういうタイプは食事もできる遊び場という意味で、ひとまとめにしてロカーレという。ミラノに一番多いけれど、ここフィレンツェでも最近ようやく定着増加の傾向にある。チェントロではサン・フレディアーノ地区に新規オープンが続いている。古い映画館を改装したウニヴェルサーレ、高いけれど魚介料理は悪くないというフオルダックアなど、イケイケ・フィオレンティーノが集うので有名な店もその界隈だ。このチェステッロも2004年4月にオープン。アルノ川に面した同名の広場でかつては倉庫だったという場所をNYのイタリア系建築家ガエタノ・ペッシェにデザインにデザインを依頼し、6年もかけて作り上げたというとっても今どき(フィレンツェ的に、という意味で)なスポットである。
オーナーは80年代終わりに大流行りしたというカルミネ教会そばのカフェ、ドルチェ・ヴィータ(今もある)を手掛けた人物。その人脈だろうか、店はかつての遊び人から今上り調子(?)の業界風まで、新しいもの好き人間で大にぎわいである。ポップ&ファンシーなインテリア、テーブルには特注のドゥオモのクーポラとジョットの鐘楼を模したsale&pepe(盗まれそうだ)、圧巻はトイレでどこかの空港でガエタノ・ペッシェが置いて不評で撤去されたという、唇型の便器を拝んでから、お勘定をしよう。
料理は...カニのミニコロッケ、ランペドゥーサのマグロのスパゲティーニ、マグロのグリルを試したが、及第点はコロッケくらいか。スパゲティーニはちゃんとアルデンテだったが、ランペドゥーサのマグロは今一つ風味が劣っていた。だいたい、これはキハダかびん長だろう、もっとマグロの種別にこだわってほしいと日本人は思う。マグロのグリルももちろん本マグロ系ではなく、味が大雑把で水っぽい。鮮度はこちらはまぁまぁだったが、醤油があればもっと味が締まっただろうに、と惜しまれた。それでもボリュームどかんなので、イタリア人は満足、ここの魚介料理は今クールよ、というわけである。それから、ここは午前1時まで食事のオーダーを受けているというのも夜型にはありがたい。
●店データ Piazza di Cestello,8 tel.055-294889 無休(夜のみの営業)
|