我が家から徒歩30秒かかるかどうか、という至近距離でありながらなかなか行く機会のない店の一つだった。前にも予約を試みたけれど、満席でだめということがあったから、今回も期待しなかったが、意外とすんなり席はとれた。実際に満席でもなかったし。要はタイミングの問題か。
とにかく、着席。店内には重厚なクラッシック音楽が流れ、年輩のカメリエーレが我々の担当だった。たまたま厨房のそばだったので、中の様子もよく見える。格幅のいい、でもまだそれほど年もとっていなさそうなオーナーシェフがいる。(実際まだ30代後半)噂によると、このシェフ、機嫌が悪いと料理も怪しくなるという。今回は大丈夫だろうか。
とにかく、オーダー。話に聞いていたとおり、魚介が多い。アンティパストはとばして、プリモ、セコンドを頼む。プリモにフリチェッリという南イタリアの手打ちパスタ(トマトとバジリコのシンプルソース)、セコンドは魚にしようと意気込んだが、オーナー曰く、「今日はいいのがない。すずきと鯛だけ。どっちもイゾラーナにする」とのこと。3人だったので、小さめの鯛1尾は客人、大きめのすずきを相棒と分け合うことにする。イゾラーナ、これはどうやらアクアパッツァに近い料理法らしい。実際にはトマトと黒オリーブとケイパーとともにアルミホイルに包んで蒸し焼きにする。そこへオーブンでこんがり焼いたじゃがいもが添えられる。魚の状態もよくとても美味。山盛りパスタの後でも食べられるくらい。パスタは非常に量が多い。ぷりっとしたなめらかなフリチェッレ(手打ちフジッリか)に酸味のほどよいトマトソース、その上に、薄く削ったチーズがかかる。パルミジャーノではない。もっと軟質なペコリーノ系だ。
ちなみに相棒はムール貝と花ズッキーニのタリエリーニ、客人はスパゲティ・アレ・ヴォンゴレ(だしが効いていておいしい)。ワインは南イタリアの何かおすすめ白を、と頼んで出てきたのがフェウディ・ディ・サングレゴリオ。印象は残念ながらあまりない。カメリエーレがこのワインを注ごうとしてちょっと粗相をした。大丈夫かと聞くと「音楽に気を取られた」。そんな重い(あるいは美しい?)音楽はこの店の雰囲気とちょっとそぐわない。でも、それだからいいという感じもする。ツーリスティックな店の多いフィレンツェで、人間的な空気を維持している貴重な店だと重う。(ま)
最近は格安ランチメニューはじめたようです。ユーロ高でどこも安いメニューを出すようになった。デフレの進行。昼はビステッカも格安のもよう。(2006年匡)
●店データ Via Palazzuolo,31r tel 055-218846 火・水昼休み
2001年4月16日(月)
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